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新首都圏ネットワーク

『山陰中央新報』2005年7月6日付

鳥取大が医師確保へ推薦入学「地域枠」


 鳥取大学医学部は六日、鳥取県内の医師確保のため二〇〇六年度から医学科
(一学年七十五人)に設置する県出身者対象の「地域枠」(五人以内)につい
て発表した。地域枠の合格者には鳥取県が六年間、月額十二万円の奨学金を貸
与する。

 「地域枠」は推薦入学枠十五人のうちの五人以内を充てる。出願資格者は同
県内の高校出身者で、高校長が推薦する現役か一浪。大学入試センター試験の
成績や調査書、面接などで総合判定する。特に「人物や地域貢献意欲を重視し
たい」(井藤久雄医学部長)という。

 県による奨学金は、県が指定する病院や診療所に、研修修了から九年間のう
ち六年間、勤務すれば返還が免除される。「拘束を緩めるため」として三年間
は自由に留学や国内研修ができるシステムにしているのが特徴という。

 研修制度改革などで全国的に医師が都市部に集中、偏在が問題化し、地方の
医師確保のため、各大学で「地域枠」の導入が始まっている。

 鳥大医学部によると旧国立大学医学部のうち、すでに設けているのは佐賀や
信州など三大学。来年度創設するのは島根など八大学で、そのうち、県が対象
者に奨学金を支給するのは鳥取と鹿児島の二大学、という。