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新首都圏ネットワーク

『京都新聞』2005年7月6日付

学部再編、教員養成に一本化
京都教育大、全国で2例目


 京都教育大(京都市伏見区)は6日、来年度から教育学部を改組し、教員免
許の取得を目的にしない総合科学課程(通称ゼロ免課程)を教員養成課程に統
合する、と発表した。教員養成に一本化する学部再編を決めたのは、全国の国
立大では岡山大に次いで2例目。団塊世代の定年退職で大幅不足が見込まれる
教員養成に特化することで、厳しい大学間競争での生き残りをかける。

 京教大の総合科学課程は1988年度の開設で現在の定員は140人。教員
養成課程は定員160人だったが、統合後は300人になる。さらに、質の高
い教員養成に向けて実地教育の機会を増やし、「食育」「小学校英語」などの
科目を新設する。

 また、来年度入試から、教員になる人が少ない京都府北部の高校を対象に1
0人分の「地域指定推薦枠」も新設する。教員を敬遠する傾向が目立つ北部地
域対策として府教委の要請を受けた。同地域出身者の9割は地元志向といい、
特別枠を設けて地域貢献を進める。

 来年度入試からは、第1志望の学生確保のため、これまでの後期重視を前期
重視に改める。

 寺田光世学長は「京都を中心に近畿圏の教員採用増に的確に対応し、実践力
のある教員を送り出すことで、国立大の使命を果たしたい」と話す。

 文部科学省は昨年度末、都市部を中心とする教員の需要増加に対応するため、
86年度から続いていた教員養成系学部の入学定員抑制を20年ぶりに撤廃し
た。これを受けて岡山大は来年度から養護教員養成課程を除く定員枠を教員養
成に一本化することを発表。愛知教育大も定員枠の一部を教員養成に振り替え
た。