トップへ戻る  以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク

『京都新聞』2005年6月30日付

授業料免除の「特別枠」新設
京大、留年生も対象に


 京都大は30日、成績が一定基準に達していない学生も対象に入れた授業料
免除の「特別枠」を新設すると発表した。本年度からの授業料値上げにともな
う救済措置で、これまで特別な理由がない限り出願できなかった留年生も対象
に加わる。東山紘久副学長は、「経済的に苦しくバイトを優先していた学生も、
いま一度学業に励んでもらいたい」と話している。

 特別枠は、本年度から毎年後期(授業料半年分26万7900円)に実施す
る。授業料値上げによる納付金増収分の約1割にあたる3000万円を原資と
し、学生・大学院生110人程度が対象となる見込み。

 京都大ではこれまで、授業料免除の出願資格は、「経済的理由」とともに
「学業優秀」が条件の一つになっており、取得単位が少ない学生や留年生は出
願できなかった。しかし、授業料値上げについての学内説明会で、学生から
「授業料が上がるとバイトする時間を増やさざるを得ない」との意見が出たこ
ともあり、個々の事情は問わず、経済的事情のみで授業料を免除する制度にし
た。

 京都大は司法試験や大学院進学目的も含め伝統的に留年生が多いが、東山副
学長は「留年をしてもいいというメッセージではない」とくぎを刺している。