トップへ戻る  以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク

『大分合同新聞』2005年6月30日付

当時の担当職員 処分なし 大分高専奨学金放置 校長に厳重注意


 大分高専(大分市牧、沖憲典校長)の職員の手続きミスで学生が奨学金を受
給できなかった問題で、同校は二十九日、関係者の処分を発表した。

 同校では、日本学生支援機構が募集した昨年度の奨学金について、学生十五
人からの申請を担当職員が昨年六月から約一年間にわたって放置し、全員が受
給できなかった。

 処分は▽校長が厳重注意▽直属の上司だった学生係長が訓告。ほかの機関に
異動した▽当時の担当職員は訓告相当▽前学生課長は厳重注意相当、退職した
▽前事務部長は厳重注意相当として、本人と現在の所属機関に通知した。

 再発防止策として(1)複数の担当者による業務のチェック体制を取る(2)奨学
金の申請事務のマニュアルを作成する―としている。

 沖校長は「学生、保護者に多大な迷惑を掛けたことを深く反省し、二度と起
こさないよう努めます」とコメントしている。

法人化、権限及ばず

 手続きミスした当時の担当職員らには処分がなく、「処分相当」とした理由
について、大分高専を運営する国立高専機構(千葉市)は「昨年四月の法人化
で異動先とは別の機関になり、処分の権限が及ばないため」と説明している。

 法人化前の国家公務員時代は、例えば国立高専から国立大学に異動しても身
分は継続しており、処分ができた。法人化後も法人間の人事交流は続いている
ものの、処分については「各法人ごとの就業規則が適用されるため(異動後に
問題が発覚した今回のようなケースは)処分できない」という。機構事務局の
原盛将人事第一係長は「異動先の機関には処分内容を文書で通知しており、判
断は異動先にに委ねるしかない」としている。