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『徳島新聞』2005年6月26日付 学生集めにあの手この手 鳴教大大学院、全国へ教員派遣依頼 設立以来、入学者の定員割れが続いている鳴門教育大学の大学院。ここ数年、 主な対象である都道府県教委が派遣する現職教員の入学が減少し、状況が悪化 している。昨年の大学の法人化で授業料が大学運営費を左右する仕組みになり、 定員割れは予算減に直結するようになった。こうした事態に、全国に派遣要請 したり、学部卒学生の獲得にも積極的に乗り出したりするなど、あの手この手 で学生確保に取り組んでいる。 鳴門教育大大学院は現職教員の再教育を目的に一九八四(昭和五十九)年、 定員百五十人で設立。八六年から定員三百人に拡大されたが、設立以来定員を 満たしたことはない。本年度の合格者数は三百三人と定員を上回ったものの、 入学手続きをしたのは二百六十一人。都道府県教委から派遣される現職教員の 枠は二百人だが、昨年度は九十人、本年度は七十二人と年々減少傾向にある。 徳島県教委からの派遣は、昨年度四十一人、本年度三十五人。県教委は減少 の理由に▽派遣に適当な三十代半ばの教員が少ない▽長期社会体験研修など研 修制度の多様化−などを挙げる。 大学側はどうにか現職教員を派遣してもらおうと毎年春、大学院入試委員会 委員が全国の教育委員会を訪問、派遣依頼している。今年は高橋啓学長自らが 香川、愛媛、徳島の三県教委に出向いた。現場のニーズに合ったカリキュラム を提供するため、来年度は特別支援教育コーディネーター、学校管理職の養成 分野を新設する。 一方、現職教員だけをターゲットにしていては定員が埋まらないことから、 学部新卒者の獲得にも力を入れ始めた。来年度入試は後期日程をこれまでより 一カ月遅らせ、十一月中旬を出願期間に設定。各都道府県の教員採用試験の結 果が出そろうのを待って、出願できるようにする。 教員免許を持っていない層の獲得を狙い、本年度から大学院の各専攻・コー スに在籍しながら幼稚園・小・中学校教員の免許が取得できるプログラムを設 置した。 在学生や教員に学外で積極的に大学院をPRするよう協力を依頼するなど、 口コミでの学生確保にも期待している。 |