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新首都圏ネットワーク

『朝日新聞』2005年6月23日付

国立大で出願急増、でも特許料収入は増えず 文科省調査


 国立大学は法人化後に特許の出願数が急増したものの、特許料収入には結び
ついていないことが、文部科学省が22日に発表した産学連携の実態調査で分
かった。しかも特許料収入全体の8割以上が、赤崎勇・名古屋大名誉教授が約
18年前に取得した青色発光ダイオード関連の特許によるものだった。文科省
は「社会のニーズを知り、実際に役立つ特許を出して欲しい」と注文している。

 調査によると、国立大学による04年度の特許出願件数は約4150件と前
年度比で約3.1倍に急増。しかし、特許料収入は過去の特許によるものも含
め約4億1600万円で、3%減った。

 昨年度の特許料収入の86%にあたる約3億6000万円は、赤崎さんの特
許がもたらした。赤崎さんや中村修二・米カリフォルニア大教授らの貢献で開
発された青色発光ダイオードは、大型カラーディスプレーなどの実用化をもた
らした。赤崎さん関連の特許料は名古屋大や共同研究先に入り、赤崎さんにも
一部が報奨金として支払われている。

 また、国立大学と民間企業との共同研究は生命科学やナノテクノロジーなど
を中心に、前年度に比べ17%増え、過去最高の9000件余に上った。