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新首都圏ネットワーク

『信濃毎日新聞』2005年6月21日付

信大、諏訪の企業と交流 「産学官連携室」新設へ


 信大は20日、製造業を中心とした諏訪地方の企業と、共同研究を進めたり、
人的交流を図る狙いで、「諏訪圏産学官連携室(仮称)」を新設する方針を明
らかにした。信大工学部によると、同地方のどこに設置するかは未定だが、早
ければ1−2カ月後にも立ち上げる予定。企業と結び付きの強い工学部をはじ
め、医学部や繊維学部、理学部などを含めた全学で取り組む方針という。

 信大は昨年4月の独立行政法人化に合わせ、学内に産学官連携推進本部を設
置。連携組織づくりは、大学間の教育・研究などの競争激化が予想される中、
地域との結び付きを強めて、企業から研究費を得るなどの狙いがある。

 諏訪地方では昨年6月、山梨大が岡谷市と産業、医療、教育などの事業で連
携する包括協定を結んだり、県外の大学が企業と共同研究を進める例も多い。
このような動きも意識し、信大は半年ほど前から工学部が中心になって組織の
立ち上げを検討。諏訪地方の企業の研究開発分野が多岐にわたるため、他の学
部も含めた全学で取り組むことにした。人員配置や連携作業を進める相手企業
の数などは、今後さらに詰めるという。

 連携室の設置を前に、信大工学部は今月28日、電子部品製造のミスズ工業
(諏訪市)と包括的連携協定を結ぶ予定。同社から助手を迎えるなどこれまで
も人的交流があることから、研究・開発を共同で進めたり、人材育成の面で協
力する方針だ。

 産学官連携室の設置について、信大工学部の山沢清人副学部長は「これまで
諏訪地方とかかわりが薄かった学部もあるため、連携室の設置でさらに地域と
の結び付きを強めたい」としている。