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『日本経済新聞』2005年6月16日付
国立大学協会、入試の抜本改革を再び先送り
国立大学協会(会長・相沢益男東工大学長)は16日、東京都内で総会を開き、 法人化を受け2008年度の実施を目指して議論してきた入試の抜本改革を先送り することを決めた。今の高校1年生が受験する08年度入試は06、07年度と同じ分 離分割方式を踏襲する。
一部の私立大が実施している秋季入学制度について「各大学の賛否は分かれ ており、高校の年度開始時期などと併せて国民的な検討がなされることが望ま しい」とする報告も了承した。
入試改革については昨年11月の総会で、07年度実施の予定を08年度に先送り した経緯がある。この日の総会では、「数年後」の実施を目標に、今年度中に 改革の具体案をまとめることで一致した。国大協は多くの大学から分離分割方 式の前期、後期の定員配分比率の自由化などを求める声が出ていることから、 入試制度の改革を検討。しかし今年4月、各大学を対象に行った調査で、自由化 すれば前期日程に定員が集中する可能性があることが分かり、「受験機会の複 数化」などの理念を維持できるか疑問になったとして、08年度からの改革を断 念した。 |