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『朝日新聞』2005年6月14日付
東京高専「ミジンコビジネス」 培養して有償譲渡
観察用や実験用にミジンコはいかが−。八王子市椚田町の東京工業高等専門 学校(松本浩之校長)が今春から、学内で培養したミジンコを有償で譲渡する ビジネスを始めた。同高専は「学内の技術を、地域で活かす手がかりにしたい」 としている。
ミジンコの譲渡は、同高専・地域連携テクノセンター長の北折典之教授を中 心に薦めている。
譲渡されるのは、生物検査用に使われる「オオミジンコ」。経済協力開発機 構(OECD)がつくるガイドラインに基づいて純粋培養された検体で、いわば 「血統書付き」(北折教授)。国内の研究機関では数カ所でしか純粋培養され ていないという。
ミジンコは小中学校での観察や、企業の水質検査に用いることができる。ま た、個人で購入して熱帯魚の餌や、観賞用にするケースもある。
今年3月、北折教授らが多摩地区の公立中学校100校にダイレクトメール を送ったところ、これまでに数校から注文があったという。
02年に独立行政法人化が決定して以来、全国の国立高専は各校とも特色づ くりを模索してきた。東京高専も学内の技術をビジネスに結びつけることを検 討し、昨年7月、ミジンコの有償譲渡を始めることを決めた。
ミジンコはペットボトルに約100匹入って千円(送料別)。問い合わせは 午前9時〜午後5時、同高専・分析受託担当(080・5683・9775) で受け付ける。 |