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新首都圏ネットワーク

『沖縄タイムス』2005年6月10日付

琉大に“シニア留学生”/本土から28人


 琉球大学に本土からシニアが短期留学―。海外留学専門企画会社のJTBグ
ローバルクラブ西日本(大阪府)が、五十歳以上の男女を対象に琉球大学で沖
縄の歴史や文化、健康・長寿について学ぶツアーを企画、第一陣の二十八人が
十九日から七月二日までの十四日間、沖縄に滞在する。同社担当者は「沖縄の
豊かな自然や文化、長寿への関心は高く、反応は上々」と、ツアー成功に手応
えを感じている様子。受け入れの琉大側は「生涯学習への貢献も大学の役割の
一つ。講義内容にも工夫を凝らしたい」と歓迎している。

 “短期留学生”らは那覇市内に宿泊し、琉大キャンパスに通学。午前中は講
義を受け、午後や週末は各自で三線や琉球舞踊の体験、首里城などの歴史遺跡
巡りやエコツアーを楽しむ。佐敷町では薬膳料理に舌鼓を打つ。参加するのは
西日本地区のシニアで、三分の二以上が女性だという。担当者は「募集をかけ
たのは西日本地区で、全国的にはかなりの需要があるはずだ」と話す。

 同社は今回初めて国内大学へのツアーを試みた。担当者は「団塊の世代が定
年を迎え、時間と金に余裕を持つようになる。大学進学率が低い時代の世代で、
学習意欲は高い。同様なツアーへの参加希望者は多いはず」とみている。

 国立大学は独立法人化で独自財源の獲得も迫られており、今回のツアーはビ
ジネスチャンス。全国の国立大の前例になるだけに、琉大側は「満足して帰っ
てもらいたい」と気を引き締めている。