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新首都圏ネットワーク

『朝日新聞』滋賀版  2005年6月7日付

滋賀医科大の学長選考訴訟
「却下」求める答弁書 国と大学


 滋賀医科大学の学長選考の過程で行われた投票の結果を無視して吉川隆一学
長が再任されたのは選考規則に反するとして、対立候補だった同大学の野田洋
一教授らが、国と同大学を相手取り、学長任命の取り消しなどを求めた裁判の
第1回口頭弁論が6日、大津地裁(稲葉重子裁判長)であった。国と大学側は
請求の却下を求める答弁書を提出した。

 大学側は答弁書の中で「学長選考会議は国立大学法人法などにのっとり、選
考手続きを進めた。違法性や裁量権の逸脱乱用はない」と反論した。国側は
「選考に手続き的、形式的な違法性があったり、学長として任命する者に著し
い非行があったりした場合でなければ、任命を拒否することはできない。同法
は学長の選任手続きに関し、学長候補者やその他の大学職員の利益を個別に保
護する定めを規定していない」などとして、野田教授らは原告として適格でな
いとした。

 野田教授らは、昨年12月21日にあった次期学長をめぐる学内の意向聴取
投票の結果、野田教授の票数が現学長の票数を上回ったのに、翌日の学長選考
会議の最終選考で現学長を選んだのは学長選考等実施細則に反すると訴えてい
る。同細則では「意向聴取結果を参考に速やかに最終選考を行う」とされてい
る。