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『朝日新聞』2005年6月7日付 教員養成へ専門大学院、指導力不足に対応 中教審が構想 実践的な指導力のある教員を養成する「教員専門職大学院」の基本構想が6 日、固まった。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)のワーキンググルー プが素案として示した。指導力不足など最近の「教師への不信」に対応するの がねらい。現職教員を対象に授業内容を向上させ、さらに学校運営の中心的な 役割を担うための実力を養う。また、学部の卒業生を「即戦力教員」に育てる ことを目指す。07年4月の開校を予定している。 基本構想によると、大学・短大卒者が取得できる現在の1種・2種の教員免 許状はそのまま残す。専門職大学院の修了者には「教職修士」(仮称)の学位 を与える。これは大学院修了者に与えられている今の「専修免許状」と同等の 免許になる。 教員専門職大学院の最大の特色は教育実習の充実。1種免許状をとる学部生 に対しては、通常4週間(5単位)を充てているが、その倍の8週間(10単 位程度)を修了要件とする方針だ。現職教員には実習を重視しつつ期間の短縮 を認める。そのために、実習生を受け入れる学校を確保する「連携協力校」制 度を新たに導入する。また、学校経営力をつけるためのコースも現職教員向け に用意する。 修業年限は2年の方向だ。ただ、幅広い人材を教員に登用すべきだとの意見 も強いため、学部段階で教員免許を取っていない学生を対象とした3年間のコー スを設けることも検討する。 開校は、教育学部や教職課程を持つ大学などからの設置申請が前提になる。 基本構想では、国の財政支出に依存する国立大学について言及し、「優れた実 績を残し、モデルとなる設置構想を持つ大学から整備を行う」と、厳選して設 置する方針を示している。 |