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新首都圏ネットワーク

『京都新聞』2005年6月6日付

「選考に違法性なし」
滋賀医大学長訴訟 初弁論で国反論


 滋賀医科大(大津市)の学長選考で、学長選考会議が教職員に対する意向聴
取投票の結果を反映せずに吉川隆一学長(66)を再任したのは違法として、投票
で吉川学長を上回った野田洋一教授(63)と講師らが、国と同大学を相手に、文
部科学大臣の学長任命の取り消しなどを求めた訴訟の第1回口頭弁論(稲葉重
子裁判長)が6日、大津地裁であった。国側は「選考に違法性はなく、任命を
拒否することはできない。訴えの利益を欠く」と却下を求めた。

 訴えによると、同会議は吉川学長が3月末で任期満了になるため、昨年12
月に教職員対象の意向聴取投票を実施した。投票数325票のうち、吉川学長
が131票だったのに対し、野田教授は188票を獲得したが、最終選考で吉
川学長の再任を決めた。文部科学大臣は大学の申し出を受けて吉川学長を任命
しており、投票結果を無視した選考は実施細則に反し、裁量権を逸脱している、
としている。

 大学側は「実施細則にのっとって手続きを進めており、違法性はない」と反
論している。