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新首都圏ネットワーク

『読売新聞』2005年5月25日付

筑波大に茨城県が、医学類への地元推薦枠を要請(茨城)


 県の鈴木欣一保健福祉部長は23日、つくば市の筑波大で岩崎洋一学長と会
談し、医学専門学群医学類に、県内高校出身者の推薦枠を設けるよう要請した。
人口当たりの医師数が全国ワースト2位という恒常的な医師不足解消に向け、
医師の地元定着率を高める狙いで、岩崎学長は今後検討する考えを示した。

 県の要請に対し、筑波大側は、<1>来年度から後期日程試験の廃止に伴い、
現在30人ある推薦入学枠を増やす<2>全国の各高校1人に限っている推薦
枠への出願について、医学類へ入学実績がある高校には増やす――方針を説明。
県内でも推薦枠が増える高校があることを明らかにした。ただ、県内優先の推
薦枠を設けるかどうかは、「今後検討していく」という返答にとどまったとい
う。

 厚生労働省の2002年調査によると、人口10万人当たりの県内医師数は
144・2人で、埼玉に次いで少ない。全国一多い徳島と比べると、半数程度
にとどまっている。

 県厚生指導課によると、過去6年間で、筑波大医学類の卒業生のうち、大学
付属病院(つくば市)で2年間の研修医生活を送った人は約6割を占め、県内
出身者に限れば約8割に上る。その一方、今春の入学者95人のうち、県内出
身者は13人で、うち推薦入学者は2人に過ぎなかった。

 他県の国立大学法人では、滋賀医科大、信州大(長野)、佐賀大が、医学部
推薦枠の約3分の1を地元に充てている例がある。