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『朝日新聞』2005年5月24日付 公務員の人件費抑制へ指針 経済財政諮問会議、今秋にも 政府の経済財政諮問会議の民間議員は23日、公務員の人件費抑制のための 提言をまとめた。国と地方それぞれに今後5年間の人員削減目標を設定するこ とを求めるほか、地方公務員の給与水準については、各地域の民間企業に準拠 して改めるよう要求している。独立行政法人や地方公営企業など周辺組織を含 めた公的部門全体を対象に、今秋までに「総人件費改革の基本指針」をまとめ て06年度予算編成に反映させるべきだ、としている。24日の諮問会議に提 出する。 公務員は現在、国と地方で計404万人(04年度末)。国・地方の本格的 な財政再建への第一歩として、総人件費の抑制に努める民間企業にならって公 務員の人件費も見直し、納税者の理解を得ることが欠かせないと判断した。団 塊の世代の引退で今後5年間で36万人(うち地方33万人)の公務員の退職 が見込まれており、組織や人員配置を思い切って見直す好機だとしている。 人数だけでなく、給与体系や水準についても転換が不可欠と主張。地方公務 員の給与を民間に準拠したものとするため、各地域の民間企業の詳細な給与調 査を行って結果を公表し、地方での「官民格差」の是正につなげるべきだ、と 強調した。 また、国や地方自治体だけでなく周辺組織の肥大化が人件費増につながって いるため、独立行政法人や国立大学法人の運営費交付金のうち給与部分を見直 すほか、地方公営企業や地方公社の人件費についての徹底した情報開示も訴え ている。 公務員の人件費を巡っては昨年以降、大阪市の職員厚遇など地方公務員の特 殊手当をはじめとする無駄遣いが明るみに出ている。国民の関心が高まってい る機会をとらえ、改革を一気に進めたい考えだ。 |