新首都圏ネットワーク |
『南日本新聞』2005年5月19日付 鹿児島大学に先端研究拠点 「生命」「環境」2部門 学外資金獲得目指す 鹿児島市の鹿児島大学は18日、学内の先端研究を戦略的に支援する「フロ ンティアサイエンス研究推進センター(FSRC)」を設立したと発表した。 2004年度の国立大学法人化で大学間競争が激しくなるなか、3年から5年 の期間を限って研究成果を出し、学外資金獲得や産学連携によるビジネス化な どを図る。 FSRCは、これまでの生命科学資源開発研究、機器分析、アイソトープ総 合の3センターを統合、生命科学と環境科学の2部門で構成する。学長や学外 有識者ら12人による委員会が、当初2年間で5件、07年度以降は年間3件 のプロジェクトを選んで研究を進める。人材育成や全学の教育研究への支援に も取り組む。 本年度は「遺伝子改変による医用ミニブタ開発と異種移植の基礎研究」「健 やかな長寿社会を目指した機能的食環境の創生」の2件を採用した。 同大はこれまで、文部科学省が国公私立大・短大、高専に配分する主要な競 争的資金である「21世紀COE」「現代的教育ニーズ取組支援(現代GP)」 「特色ある大学教育支援(特色GP)」に1件も採択されていない。こうした 経緯を踏まえ、より戦略的な体制づくりを図った。関係者は「鹿大の目玉分野 の確立につなげたい」と期待を寄せている。 永田行博学長は「FSRCが鹿大の新しい研究の中核として活躍することを 期待する」としている。宮崎智行センター長(工学部教授)は「研究者は短い 時間で成果を出すことを求められる。厳しい環境だが、日本中に嵐を起こす研 究をしてほしい」と話した。 |