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『読売新聞』中部版 2005年5月19日付

名大・阪大・東工大工学系 若手教官を人事交流 人材育成へ来年度から


 名古屋大と東京工業大、大阪大は18日、工学系の若い助教授・講師を相互
に派遣する人事交流を2006年度からスタートさせると発表した。派遣期間
は3年で、期間満了後は元の大学へ復職する。昨年4月の国立大学の独立法人
化に伴って大学間競争が激化していることから、他大学での研究・管理運営方
法を学び、自分の大学の改善点を知ることで、大学の将来を担う優秀な人材を
育てて、生き残りを図る狙いだ。

 助教授・講師が他大学に転任する例はあるが、元の大学へ復職することを条
件に、組織だって人事交流するのは、大学間では初めてという。

 名大大学院工学研究科によると、人事交流の対象となるのは、3年間の派遣
期間を終えた時点で45歳以下の助教授・講師。各大学とも、毎年2人程度を
派遣する。派遣先では研究だけでなく、講義も受け持ち、大学運営の会議など
にも参加する。各大学が公募を行い、学内選考を経て、候補者を決めた後、3
大学で作るマッチング検討委員会で、希望者の研究テーマなどを検討して、受
け入れ先の大学を決める。派遣数と受け入れ数は原則として、同数とする方針
だ。

 名大大学院工学研究科では「名大は東大、京大に比べると、ブランド力が弱
い。厳しい大学間競争を勝ち抜くために、優秀な人材を育て、大学の特徴を明
確に打ち出していきたい」と話している。