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『朝日新聞』2005年5月17日付 大学の特許技術、取引先企業に紹介 三井住友銀 三井住友銀行は16日、大阪大学と東京農工大学の持つ特許技術を銀行の取 引先企業に紹介する大手行初のサービスを始めた。単なる技術移転の仲介にと どまらず、特許を使った実際の事業計画までを銀行側でつくり、技術の「市場 価値」を高めてから企業に渡すのが特徴だ。 三井住友銀子会社のSMBCコンサルティングが、銀行取引先など約4万社 に対し、両大学が持つ特許技術の項目を紹介。6月下旬に、関心を示した企業 の担当者と大学の担当者を集めて第1回の説明会を開き、個別商談に入る。契 約が成立すれば、大学は技術移転収入の10〜30%を仲介手数料として支払 う。 東京農工大は、ポリ塩化ビニルのリサイクル技術など5種類の技術移転を希 望。企業側と契約の見通しが立てば、秘密保持の約束をしたうえで、三井住友 と提携する外部の技術評価会社を通じて黒字化までの中期的な事業計画を策定 する。 三井住友銀は、手数料収入に加え、技術移転をきっかけとした新規事業への 融資機会が増えることに期待する。 大学が自前の技術移転機関(TLO)を使って特許を販売する動きはすでに 広がっているが、三井住友銀は「銀行の市場調査力や外部の技術評価を用いる ことで、事業化のきっかけをつかめる技術も少なくない」(幹部)とみている。 |