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『朝日新聞』2005年5月13日付 大学院生、企業で長期訓練 科学技術の人材育成 文科省 大学院で真に実力ある科学技術の担い手を育てることを狙って、文部科学省 は今年度から5年がかりで、大学院生に企業で長期間、実践的なトレーニング を積んでもらう「大学院版インターンシップ」の導入を進める。産業界からの 要望に応えるとともに、大学院改革の一環と位置付けて、定着、普及させたい 考えだ。 大学院生はこの10年で倍増した。しかし、産業界から「専門分野外の知識 や独創性が不足している」と指摘されるなど、「質の向上」が課題になってい る。日本経済団体連合会は昨年3月、国の総合科学技術会議に「大学院で学ぶ 学問が実社会でどのようにいかされているのかが不明確であり、産学官連携に よるインターンシップの制度的充実が不可欠」とする提言書を提出していた。 将来希望する職業などを在学中に体験するインターンシップは、大学生では 年間に約3万人が経験しているが、期間は2週間程度が中心で、「アルバイト 感覚」や「社会勉強」「就職のためのコネづくり」といった色合いが濃い。 大学院版インターンシップは期間を3カ月以上と長くして、社員と同じ立場 で主体的に研究開発や企画立案、営業などに当たってもらう。単なる就業体験 に終わらぬよう、単位認定し、相応の成果を求める。計画によっては報酬も支 払う。 事後に企業機密や知的所有権をめぐる問題が起きないように、大学と企業、 学生との間で守秘義務などを書面で交わしてもらう。 文科省は、夏までに大学院と企業がセットで申請する計画の中から10件程 度を選び、1件あたり約1000万円を支援する。対象は当面理工系が中心に なる見込みだ。06年度から5年間の科学技術政策の基本方針となる第3期科 学技術基本計画にも盛り込み、大学院版インターンシップを定着させたいとし ている。 |