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新首都圏ネットワーク


『毎日新聞』2005年5月3日付

支払い気にせず学問に集中、「授業料融資」を開始−−島根大 /中国


 島根大(松江市西川津町、本田雄一学長)と山陰合同銀行(同市魚町、若佐
博之頭取)は今春から、同大の学生を対象に「授業料奨学融資制度」を始めた。
高額な授業料を納めることが難しい学生に同行が授業料を融資し、在学中の利
息は同大が負担する。国立大では珍しい制度で、同大は学生が授業料の支払い
を気にせず学問に打ち込めると期待を寄せる。

 同大によると、授業料未納で退学になる学生は年間で20〜30人。親が失
職して半期ごとの授業料を払うのが難しいと滞納する学生もいるという。05
年度から国立大の標準授業料も52万800円から53万5800円に値上が
りしたこともあり、この制度を始めた。

 融資は学生自身が申し込み、成績や家計の基準を満たせば受けることができ
る。月ごとに貸与され、生活費として使われることが多い奨学金と違い、融資
は同行から直接、同大の授業料振り込み口座に振り込まれる。

 在学中は返済が据え置かれ、利息は同大が負担。卒業後は年3・5%の固定
金利で返済し、山陰両県に住めば利率が0・5ポイント下げられる。同大は、
学生本人が授業料の融資を受けることで、大学で学ぶ意義を考えるのでは、と
期待。同行も地域の定住に役立てば、と利率を優遇する。【久野洋】