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『京都新聞』2005年5月1日付 「3大学連合」を検討 京都府立医大ら 連携を強化 京都府立医科大(京都市上京区)と府立大(左京区)、京都工芸繊維大(同) の3大学は30日までに、教養教育の共同化や編入学の受け入れなどを通じ、 総合大学的な教育機能を持った「3大学連合(仮称)」を目指す方向で検討に 入った。3大学と府の関係者が近くワーキンググループを発足させる。少子化 による「大学全入時代」を前に、専門領域の狭い3大学が協力し合って、競争 力を高める狙いだ。 府によると、一橋大と東京外語大、東京工業大、東京医科歯科大が編入学ま で踏み込んだ「4大学連合」をつくっているが、府立と国立大学法人で設置形 態が異なる大学間では初めてという。 3大学は半径1・5キロ以内の地域にあり、重複する学部はない。独立性を 保ちながら、教育や研究内容に応じて連携することで、総合大学的な幅広い教 育機能を持つのが狙い。全学的な教養教育を共同化できれば専門研究への重点 投資も可能になる。 府によると、2月初旬に3大学の学長らが集い、多面的な連携を強めること を確認したという。 連携内容についてはワーキンググループで詰める方針。教員派遣や施設の相 互利用を通じた教養教育の共同化のほか、編入学を含めた専門研究での連携▽ 大学院など社会人の再教育▽自治体のシンクタンク機能を担う公共政策分野で の連携−なども議論される見通し。 工繊大は「『医工連携』などで専門研究が深められる一方、重複している教 養教育の効率化も期待できる」(古山正雄副学長)としている。 また、府幹部は「国立大学法人である工繊大と同じレベルの自由度を確保す るためにも、府立2大学を法人化する議論を並行して進めたい」と、府立2大 学の独立行政法人化についても検討する見通しを示した。 文部科学省大学振興課は「国立大の法人化を機に、公立、私立大も大学間連 携を加速させているのでは」とみている。 |