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岩手日報04/28 大学発ベンチャー急増 全国トップ級 大学発のベンチャー企業が県内で急増している。岩手大、県立大、岩手医大 の教員が関係するベンチャー企業は、2004年度末で15社。04年度設立 の6社はすべて岩手大で、全国でもトップクラスの数だ。国公立大学の独立行 政法人化で「もうかる起業」を目指す大学間競争の激化が背景にある。大学の 技術をいかに社会のニーズに合った形で還元できるか−。岩手発の大学ベン チャーに期待が高まっている。 岩手大発のベンチャー企業は、05年3月末で11社。02年1月に森邦夫 工学部長の有機メッキ技術を応用したティーアンドケイが最初の起業。03年 度には、携帯電話向けの小型プリンターやテレビ会議システムの開発、販売を 手掛けるなど活躍をみせるアイカムス・ラボをはじめとする4社が発足した。 04年度の法人化後はさらに加速し、工学、農学系を中心に6社。同年度の 設立数は、1校当たりでは全国でトップクラスだ。05年度も既に数社が設立 準備に入っており、年間では昨年度を上回る起業が見込まれる。 岩手大地域連携推進センターの安保繁インキュベーションマネージャーは 「法人化後、教員の意識が外向きに変わってきている」と起業は今後も続くと 予想。同時に「研究だけでなく、これからは経営についても考えなければ生き 残ることはできない」と指摘する。 県立大関連では、01年12月に船生豊研究・地域連携本部長や岩手医大の 教員らによるインターネットを活用した在宅保健医療システムなどを手掛ける モリーオが起業。ソフトウェア情報学部を中心に5社が設立された。 船生本部長は「地域貢献を展開する一つの手段だが、大学の知的財産などシー ズ(種)が県民のニーズに合っていないと意味がない」と、教員が外部への意 識を持つことが重要とする。 起業を通じての大学間連携もみられる。県立大と岩手医大のモリーオのほか、 岩手大と県立大の教員が互いの技術を持ち寄った、画像処理システムのイグノ スもある。 全国的に大学発ベンチャー企業は増えている。経済産業省によると、04年 度末までに1099社の起業があった。 県産業振興課の黒沢芳明新産業・技術担当課長は「地域産業に刺激を与える 大学の姿勢は頼もしい。経営面を強化し、将来的に県の主要産業になるものが 多く出てくれば」と期待する。 |