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『京都新聞』2005年4月13日付 ベンチャー創出拠点設立 京大と2社 新薬や再生医療事業化支援 京都大医学研究科は13日、UFJキャピタル、住友商事の2社と共同で、 新規の治療薬や医療技術など大学の研究成果に基づくベンチャー企業を創出す る「インキュベーション・プラザ」を設立した。再生医療など事業化が有望な 研究のビジネスプランや資金計画の立案から投資まで民間と共同で行う、日本 の大学では初めての組織といい、年内にも最初のベンチャー企業創出をめざす。 同日、京都市左京区の京大医学部構内にある芝蘭会館で、京大と2社がプラ ザ運営に関する協定書に調印、同会館に事務所を開設した。 医学研究科での研究成果から、事業化が有望なシーズ(種)について2社の スタッフが起業のための計画を立案。研究や治験、会社設立などに必要な費用 を2社が中心に提供(投資)して起業につなげる。 新規治療薬の開発には10年以上の期間と数100億円の資金が必要とされ るため、研究者個人ではマネジメントが難しく、投資のリスクも高いため資金 集めも容易でなかった。プラザでは起業から企業が軌道に乗るまでを専門スタッ フが支援することで、開発期間の短縮や円滑な資金調達を図る。まず、医学部 付属病院探索医療センターが進める再生医療などのプロジェクトを対象に事業 化を検討する。 プラザには、再生医科学研究所や生命科学研究科など他の研究部門も参加を 検討。工学研究科などの産学連携の拠点となる桂キャンパス(西京区)と並ぶ 新産業創出の拠点を目指す。 成宮周医学研究科長は「(プラザは)研究成果を患者の治療や予防、福祉に できるだけ早く役立てるのが目的。これまでほっておかれていたシーズを生か していきたい」と話した。 |