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新首都圏ネットワーク


ZAKZAK 2005年4月2日付

投票で学長“当選”の教授、会議で落選…提訴


 滋賀医大(大津市)で吉川隆一学長が再任された際の学長選考をめぐり、選
ばれなかった同大教授らが1日、任命取り消しや、慰謝料計約1400万円の
支払いなどを国と同大に求め大津地裁に提訴した。原告側代理人によると、国
立大学長の任命取り消しを求める訴訟は初めてという。

 訴えたのは野田洋一教授ら。訴えによると、吉川学長がことし3月末で任期
満了を迎えるため、次期学長候補に吉川、野田両氏が推薦され、昨年12月、
職員らの意向を調べるための投票が実施された。

 野田氏が57票多かったが、学長選考会議は「投票を参考にする」としなが
ら、吉川氏を学長候補に選び、吉川氏が4月1日付で再任された。

 野田教授らは「投票結果を無視する選択は、選考会議の裁量権の逸脱、乱用
だ」などと主張。大学側は「投票はあくまでも参考にすぎない。学長は選考会
議が議論し、適切に選んでおり、違法性はない」としている。