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新首都圏ネットワーク


『神奈川新聞』2005年4月1日付

公立大学法人化した新生横浜市大がスタート


 横浜市立大学が一日、公立大学法人化され初代理事長に宝田良一氏、新学長
にブルース・ストロナク氏が正式に就任した。学術や経営面での独立独歩の運
営に向けた歩みが始まる。同市の中田宏市長から宝田理事長に「横浜へのより
大きな貢献」の願いを込めた「中期目標」が託された。

 新法人化は地方独立行政法人法に基づき行われた。中期目標の設定は同法で
義務付けられ、法人設立準備委員会や市会などでの論議、市長付属機関「市公
立大学法人評価委員会」のアドバイスを経て決定した。計画期間は二〇〇五年
度から一〇年度までの六年間。

 目標では「横浜市が有する意義ある大学」として「市民が誇りうる市民に貢
献する大学」と「実践的な国際教養大学」の二つの方向性を掲げた。「教育重
視・学生中心・地域貢献」を基本方針に(1)学生のキャリア開発を支援するた
めのシステム構築(2)文系と理系にまたがる共通教養教育の推進(3)研究成
果や知的財産の産業界など地域への還元-などを盛り込んだ。

 中期目標提出に当たり中田市長は「この大学をみなさんがリードし多くの人
が評価すれば今までの伝統を加えて価値がさらに高まる。運命を切り開いてほ
しい。後はみなさんにお願いします」とあいさつ。宝田理事長は「きょう(一
日)は大学改革のゴールではなくスタート。努力を重ねたい」とコメントした。

 市大は新法人移行に伴い商・国際文化・理学の三学部を統合し国際総合科学
部を新設、医学部との二学部編成となった。同市の交付金を受けるが基本的に
は学費など自主財源での運営を進めていく。新体制での「第一期生」の入学式
は五日に行われる。