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新首都圏ネットワーク


『日本経済新聞』2005年3月31日付

東大が「白書」刊行・前学長が法人化の内幕語る


 東京大は31日までに佐々木毅前学長の退任に伴い、「東京大学大変革 現状
と課題4」を刊行した。学長退任時に刊行するのが慣例の通称「東大白書」は
これまで学内関係者が対象だったが、今回初めて一般向けに変身。佐々木前学
長らが昨年4月の法人化の内幕や課題を語っている。

 佐々木前学長は、2003年11―12月、予算削減を巡り国と国立大側が対立して
いたころの河村建夫文部科学相(当時)や官僚とのやり取りを証言。小宮山宏
新学長との対談では、有名進学校出身者が入学者の多くを占める現状について、
「同じような人が集まったら同じようなことしかできない」と入試改革の必要
性を訴えている。

 佐々木前学長のもとで副学長を務めた藤井敏嗣教授は刊行を機に31日、記者
会見し「政府の方針がころころ変わった法人化の経緯がよく分かる内容。文科
省からのクレームは覚悟の上だ」とした。

 本体価格は3200円。問い合わせは東大広報室。