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『朝日新聞』大阪版 2005年3月29日付 新府立大・南学長に聞く 統合効果期待 新府立大 南努学長(63) 《府立大の統合》 現在の府立大(堺市)は5学部で学生数は約5千人、大阪女子大(同)は2 学部で約千人、看護大(羽曳野市)は2学部で約400人。統合後は工、理、 経済、人間社会、看護、総合リハビリテーション、生命環境科学の計7学部と なる。大阪女子大のある大仙キャンパスは06年度末に廃止して売却する見通 し。 府立大、大阪女子大、看護大の3公立大が4月1日、統合して新しい「大阪 府立大学」に生まれ変わる。新大学の学長として運営のかじを取ることになっ た南努・現府立大学長(63)に、めざす大学像を聞いた。 ●コストを削減 ――なぜ統合するのか。 一つは急速な少子化。学生の確保をめぐって大学間の競争が厳しくなってい る。統合によって、単独では出せない魅力をつくる必要が生じた。二つ目は、 府の財政状況の厳しさだ。コスト削減のために統合が必要なら、受け入れざる をえない。 ――教職員の数も減らす計画だ。大学の活動が萎縮(いしゅく)するのでは。 組織のスリム化は社会の要請だ。この変化を消極的にとらえるとじり貧になっ てしまう。私はチャンスととらえて大学の発展につなげたい。 ●企業とも連携 計画では、教員の定数を10年間で4分の1減らす。一方、外部から獲得す る研究資金は6年後までに3割増やす目標だ。私の計算では、教員一人あたり 1・7倍の資金を獲得せねばならない。何よりも必要なのは教職員の意識改革。 外部の研究費には、まずは応募を。企業とも積極的に連携してほしい。新設す る「産学官連携機構」が産業界との窓口になると思う。 ●高度研究型へ ――めざす大学像は。 世界に通用する高度研究型大学だ。府立大は統合で7学部になる。これだけ の規模を持つ総合大は70を超える公立大では数えるほどしかない。 府立大の入試は非常に難しいし、教員の潜在力も高い。それなのに世間から はやや地味な大学とみられる。私はこのギャップを危ぐしている。 ――学生に影響は。 看護、総合リハビリテーション学部は羽曳野キャンパスにあるが、毎週水曜、 堺市の中百舌鳥キャンパスに通ってもらう。教養科目を学んでもらうためだ。 大学は移動用のバスを用意する。往復で苦労をかけるかもしれないが、統合の メリットをいかすためで学生にも有益と思っている。 |