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『毎日新聞』2005年3月29日付

科学技術基本計画:人材育成を政策の柱に 文科省


 文部科学省は29日、国の科学技術政策の指針となる「第3期科学技術基本
計画」(06〜10年度)に盛り込むべき政策をまとめた。政策の柱に「人材
育成」を据え、科学技術を担う多様で優秀な人材を確保するため、各大学・機
関に女性や外国人研究者の採用目標人数を設定するよう求めた。また必要な政
策実施のため、「(現行の)第2期計画(5年間で24兆円)を相当程度上回
る研究開発投資が必要」とした。

 現計画は投資の重点をライフサイエンス、ナノテクノロジー・材料、情報通
信、環境の4分野に絞り込んだが、次期計画は宇宙、原子力など国家戦略にか
かわる「基幹技術」にも優先投資の対象を拡大した。現計画で目標に掲げなが
ら実現できなかった「競争的資金の倍増」の表現は削った。

 人材育成では、人材の流動性確保を重視。研究者が一つの大学や研究機関に
とどまらず、大学卒業後に所属機関を一度は変わる「1回異動の原則」を奨励
する。女性や外国人研究者の採用目標は自主的なものにとどめるが、実効性を
上げるため、国が達成状況を公表するとしている。

 第3期計画は、政府の総合科学技術会議が各省の案をたたき台に最終案を取
りまとめ、来年度中に閣議決定する。【永山悦子】