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新首都圏ネットワーク


『朝日新聞』岡山版 2005年3月17日付

「潜在力生かす」/岡大新学長


 法人化後初の岡山大学長を選ぶ同大選考会議が16日、次期学長に選出した
のは学内意向聴取(投票)2位の千葉喬三副学長(65)だった。法人化で設
置され、学長の決定権を持つ同会議は学内の声に配慮する形で投票を実施した
が、最後に強い権限を発揮した。同会議議長の塩飽(しあき)得郎・中国銀行
監査役は会見で「圧倒的な得票の候補はおらず、3人とも甲乙はつけがたかっ
たが、大学の変革期に千葉氏がふさわしい」と強調した。

 選考会議は、千葉副学長ら3人を「学長候補適格者」に選び、15日に学内
の意向聴取(投票)を実施。結果は得票順に、名誉教授の赤木忠厚・公立学校
共済組合中国中央病院長(67)が379票、千葉副学長が294票、阪田憲
次・大学院自然科学研究科長(61)が135票だった。学内の関心も高く、
投票資格者1019人の約8割が投票した。

 16日の会議では、赤木氏と千葉副学長の2人に絞って審議を進め、最終的
には11人の委員で投票し、8人が千葉氏に投票。副学長として岡山大の法人
化に携わった千葉副学長の実績が委員らの高い評価を受けたという。塩飽議長
は「3人を2人に絞って、業績や、どちらが今の時代にふさわしいかを判断し
た。完璧(かんぺき)ではないが、会議として一応の役割を果たした」と説明
した。

 京都大出身で、岡山大農学部長などを歴任してきた千葉副学長は「大学法人
は、自由もあるが責任も重い。国はもう、面倒をみてくれない。教育の中身を
洗い直し、財政を充実させて岡山大の潜在力を発揮させたい」と話した。