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新首都圏ネットワーク


『山陰中央新報』2005年3月1日付

島大が授業料奨学融資制度 銀行と提携、学生支援


 島根大学(松江市西川津町)は一日、山陰合同銀行(同市魚町)と提携し、
授業資金のローン「授業料奨学融資制度」を来年度から導入すると発表した。
同行から授業料の融資を受けた学生に、同大が利子を全額補給する仕組みで、
国公立大では全国的に珍しい試み。卒業後の定住者に対する優遇措置も設定し
た。

 国立大の年間授業料の目安となる標準額が来年度から引き上げられるのに合
わせ、島根大も現行五十二万八百円の年間授業料を一万五千円値上げするため、
学生支援の一環として導入を決めた。

 融資額は半期分の授業料二十六万八千円で、半期ごとに手続きをすれば、在
学期間中に複数回借りられる。在学中は元金の返済が据え置かれ、利息は島大
側が全額負担する。返済期限は在学期間を含め十二年以内。

 卒業後に山陰両県に居住するか両県内の企業に就職した場合は、返済時期の
利率から0・5%引き下げる優遇措置も施す。制度導入当初の年利は3・5%
で、市中銀行の教育ローンより低利に設定した。

 同大が銀行に支払う利子の資金源は、授業料を免除された学生の不足分を補
う目的で国から支援を受ける「授業料免除枠」の約二億円の中から充当する。

 同大の山本広基副学長は「学生自らが学費を借り入れる制度なので、学費の
重みや大学に学ぶ意味をあらためて考える教育効果も期待している」と話した。