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新首都圏ネットワーク


『日刊岩手建設工業新聞』2005年2月10日付

コラム ◎つむじ風2月10日


 これだけ「子供の数が少ない」「このままでは年金制度が破綻する」などと
言われながら、対応策が目に見えてこない。しかも一部の大都市圏を除いて国
全体が不況に喘ぎ、賃金も抑えられている中、大学の授業料がまた上がる▼高
校・大学の7年間で、子供1人当たりにかかる費用は約1000万円。高等教育費
にかかる負担があまりにも大きい。自宅外通学の場合には仕送り分も加わり、
その額は1500万円を突破する計算になる▼年収200-400万円の世帯では、半
分以上が子供の学費に消える。それでは生活できないから蓄えを取り崩す。
「できれば大学まで出してやりたい」と思うのが、世の親の常。教育費の負担
を考えると、多く子供を持とうなどとは到底思わない▼アメリカのように奨学
金制度が充実していれば、親の仕送りなしに大学に通うことも可能だ。またド
イツなどは、授業料がほとんどかからない。日本のような資源のない島国こそ、
有能な人材の育成は不可欠。親の所得で優秀な人材を埋もれさせてしまうので
は、本当にこの国の未来はない。