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新首都圏ネットワーク


『南日本新聞』2005年2月21日付

鹿県、鹿大医学生に奨学金/へき地の医師確保へ
新年度から、2−5年の勤務義務


 鹿児島県は離島やへき地の公的医療機関に勤務する医師の確保を目指し、鹿
児島大学医学部の大学院生、学生を対象に2005年度から奨学金制度(修学
資金貸付事業)を始める。奨学金を受けると、2−5年間のへき地勤務・研修
が義務化される。県はへき地などの慢性的な医師不足解消につなげたいとして
いる。

 県によると、入学金や授業料、生活費、図書購入費として貸す。へき地など
に医療機関を持つ市町村にも財源負担に協力を求める。

 大学院生(4年間)は05年度、学生(6年間)は06年度から。鹿大は同
年度に地域特別枠入学制度を導入し、へき地や離島勤務を希望する学生を別枠
で確保し、協力する。

 対象は大学院、学生それぞれ年間2人ずつの計4人。05−07年度は暫定
的に大学院4年生(1年間)2人にも貸し、06年度から派遣できるようにし
たい考え。

 満期までの貸付総額は1人当たり大学院生636万円、学生940万円。年
平均では約160万円となる。

 離島やへき地での勤務義務は、大学院生が2年間、学生が5年間(臨床研修
期間も含む)。勤務すれば返還を免除されるが、義務を果たさない場合は、全
額返還しなければならない。

 順調に進めば、2016年度から年10人の医師を確実に派遣できる。県は
05年度当初予算案に664万円を計上、県議会で可決後、大学院生を募集す
る。

 医務課によると、4、5カ所の自治体から医師確保の相談が常にある状態。
「時間のかかる事業だが、市町村の派遣要請に応えられる体制を整えたい。鹿
大と連携を図りながら続けていきたい」と話している。