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新首都圏ネットワーク


『京都新聞』2005年2月17日付

京大、授業料値上げ
今春から1万5000円


 京都大(京都市左京区)は16日、新年度の授業料を文部科学省が定めた
「標準額」に合わせて値上げすることを役員会で決めた。学生側がこれに反発
し、役員会が開かれた本部管理棟で5時間半にわたって抗議した。この日決まっ
た来年度授業料は、現行より1万5000円増となる53万5800円で、経
済的な困難を抱える学生へは授業料免除の枠を広げるとしている。

 京大は同日午前11時から、学内で学生を対象に授業料に関する説明会を開
いたが、その最中の午後2時に役員会を始めたことから、学生側が「学生の意
見を聞くことなく一方的に決めようとしている」と反発。午後4時すぎから本
部管理棟に約20人の学生が集まり、尾池和夫総長からの説明を求め、午後9
時半ごろまで抗議を続けた。

 昨年4月の法人化で、国立大は授業料を標準額の1割増を上限に個々に決定
できる。しかし、標準額の値上げに連動して交付金が減額されるため、京都、
滋賀の他の国立大を含め、大半の大学は標準額への値上げを決めている。全国
では佐賀大がこれまでに唯一、授業料を据え置く方針を出している。東京大は
学部・大学院修士課程は値上げするが、大学院博士課程は「独立生計者や外国
人留学生が多い」として据え置く。