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『読売新聞』中部版 2005年2月11日付

名大、独自の奨学金 個人、企業から200億目標基金 

 ◆優秀学生確保 2006年度支給


 名古屋大(平野眞一学長)は、優秀な学生を確保するため、来年度から奨学
金制度を創設することを決めた。国として、学生を支援する制度はあるが、国
立大学法人が独自に制度を設けるのは、全国で初めて。同大は、将来を嘱望さ
れた学生や留学生を対象に支給する計画で、利用できる学生を特待生として位
置づけ、有能な人材育成を目指す。

 奨学金の基金は200億円を目標に、個人や企業から募る。二〇〇六年度か
ら支給する計画で、対象となるのは、各学部で選考された学部生や大学院生。
留学生については、入試の段階で名大奨学生として選抜し、奨学金は全体の一
割程度の学生に支給する。支給額は基金の集まり具合をみて決めるが、基本的
には、貸与ではなく、支給する方針。多額な寄付があった場合は、個人、企業
名を付けた特別基金も検討する。

 国立大はこれまで国費で運営されていたため、独自に奨学金を支給するのは、
制度的に難しかった。しかし、法人化を機に、大学の裁量が広がり、特色を出
せるようになった。

 平野学長は「奨学生制度は、すでに海外の大学で導入されている。大学選択
で、名古屋大を選んでもらい、将来的には『名大の奨学生』として世界に羽ば
たける人材を育成していきたい」と話している。