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新首都圏ネットワーク


『北海道新聞』2005年2月10日付

道内国立大、授業料で初の格差 北見工大除き値上げ決定


 道内七国立大の新年度授業料が、値上げする方向で検討中の北見工大を除い
て正式に決まった。北大などが、国の設定した「標準額」に合わせて一万五千
円増の年額五十三万五千八百円に値上げする一方、小樽商大は前期分の授業料
を据え置いた。全国一律だった国立大の授業料で格差が出たのは初めて。

 国立大の出願期間(一月二十四日から二月二日まで)よりも前に授業料値上
げを発表したのは室蘭工大だけで、発表時期も各大学ごとにまちまち。この結
果、北大、旭川医大、道教育大、北見工大の受験生は、授業料が分からないま
ま出願せざるを得ない状況だった。

 昨年四月の法人化に伴い、国立大の授業料は各大学が独自に決定できるよう
になった。法科大学院を除いて値上げに踏み切る北大は「国の運営交付金が削
減される。値上げはやむを得ない」と説明。値上げの方向で検討中の北見工大
は「最終決定は三月」としている。

 一方、前期分の授業料を据え置く小樽商大は「受験生への周知期間が足りな
いうえ、父母の経済的負担を軽減するため」としている。ただし、後期分につ
いては七千五百円引き上げる。大学院の授業料を据え置く道教育大は「大学院
への門戸開放のために値上げはできない」と判断した。

 発表時期が出願期間後だった大学があったことについて、文部科学省は「情
報提供はもっと速やかに行うべきだ」(国立大学法人支援課)と指摘している。
北大を志望する受験生を持つ札幌市内の四十代の会社員は「出願段階で学費が
いくらか分からないような事態は受験生軽視ではないか」と話している。