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『京都新聞』2005年2月4日付 運営費削減問題で意見相次ぐ 京で国立大の現状探るシンポ 昨春法人化した国立大の現状と展望を探るシンポジウム「法人化10カ月を 経て−国立大学はどう変わろうとしているのか?」が4日、京都市下京区のホ テルで開かれ、京都大や大阪大などの学長から運営費削減問題を問う意見が相 次いだ。 尾池和夫京大総長は「日本は高等教育に対する公費負担割合が先進諸国に比 べて低い」と指摘、「その結果、少子化を招き、優秀な人材を外国に取られ、 日本語が衰退する、との3つの危ぐがある」と分析した。 宮原秀夫阪大総長は、国立大授業料の目安となる標準額が引き上げられたこ とに関連し「受益者負担と言うが受益者は学生でなく社会や企業。良い製品 (学生)を出すためお客さんに協力してほしい」と話した。 これに対し遠山敦子元文部科学相が「メリットが多いのに少しのデメリット だけ言っていては駄目」と批判する場面も。文科省の徳永保官房審議官は「特 色を出す大学には文科省も応援する。大学は自立的運営で教育研究の意義を実 証してほしい」と述べた。 シンポは科学技術振興機構の主催で、大学や企業関係者ら約500人が耳を 傾けた。 |