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新首都圏ネットワーク


http://www.kyushu-u.ac.jp/209_index_msg.html

学生の皆さんへ
(平成17年度の九州大学授業料について)


                          平成17年2月1日
                          九 州 大 学 総 長
                            梶 山 千 里


 学生の皆さんにおかれては、既に新聞報道等でご存じのことと思いますが、
国の平成17年度予算(案)において、平成17年度における国立大学授業料
の標準額を現行の52万800円から1万5千円引き上げ53万5800円と
することが盛り込まれ、今国会において成立させる方向で進められています。

 各国立大学がそれぞれの大学の授業料をこの標準額に合わせるか否かは、各
国立大学の裁量ですが、国立大学で実施する教育・研究をはじめとした大学運
営費は、この標準額を基礎に積算されています。

 皆さんや皆さんの保護者など授業料負担者の経済的な負担増を避けるために
は、標準額の引き上げに同調しないという選択肢もありますが、その場合は本
学が平成17年度に予定している教育・研究等の事業に要する経費を満たす収
入が不足することになり、結果として教育へ影響することも懸念されます。

 皆さんに直接影響を及ぼすこの問題に対して、私を中心に役員会や教育研究
評議会等の学内審議機関において、幾度となく真剣に議論を行って参りました。

 本日はその結果を皆さんにお伝えします。

 それは皆さんの負担が増すことにはなりますが、私ども九州大学としては、
標準額の引き上げ額どおりに本学の授業料を値上げするというものです。


 その理由は次のとおりです。
 (1)本学の教育関係施設や設備の現状は必ずしも皆さんの期待に応えるもので
はなく、これを一層充実させる必要があること
 (2)語学能力の向上など自己啓発促進のためのプログラムや就職・進路支援な
ど皆さんの教育ニーズに今以上の対応を行う必要があること
 (3)標準額の引き上げを前提に、これらに対応するための経費が国から措置さ
れること
 (4)したがって授業料の値上げによる効果は結果的に皆さんが享受できること

 勿論、一方で本学の経営合理化は緊急かつ必須のものであると認識していま
す。

 無駄を省き教育への投資を増やすことは私の責務であり、教職員の先頭に立
ち行動して参ります。

 先に述べました教育環境の充実や皆さんに対する支援策については、教育施
設・設備の充実は基より、例えば、現在の授業料免除の拡大や英語コミニュニ
ケーションプログラム、進路支援プログラムなどの事業について、4月からの
実施を念頭に十分な検討を行っているところです。

 経済的には残念ながら皆さんの負担増となりますが、教育環境の充実や皆さ
んへの様々な支援を目的としたものであることを是非ともご理解願います。

 なお、授業料については、本来、国の17年度予算の成立により、標準額の
改定が確定した後にお示しすべきことではありますが、皆さんへ直接影響を与
える事柄ですので、敢えて先行してお示しいたしました。