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新首都圏ネットワーク


『西日本新聞』2005年1月23日付


■「負担減らしたい」 佐賀大学長

 「やせ我慢しても、一年は値上げしない」。共同通信社アンケートに、ただ
一校、授業料据え置きを明言した佐賀大学長は苦しい胸の内をこう明かした。
値上げ額の圧縮を検討している愛媛大学長は「(運営費交付金を減らす)国へ
の抗議の意味もある」と憤る。

 値上げする大学からも「据え置くと、値上げした場合より一億円収入が少な
くなる」(琉球大)、「苦渋の選択」(愛知教育大、滋賀大)などと悩みを訴
える声が相次いだ。

 佐賀大の長谷川照学長は据え置きの理由を「受験生からすれば、国立大は授
業料が安いのが魅力。都会から地方に学びに来てほしいし、遠くから来た学生
の負担は減らさないと」と説明した。

 多くの国立大が一斉に値上げに踏み切る現状は「みんなが標準額にそろえる
のは横並び主義そのもの。法人化した意味がない」と批判。ただ、国からの運
営費交付金が減らされる方向にあることから「頑張れるのは今年一年限りかも
しれない」と漏らした。

 二〇〇五年度は値上げ額を抑え、二年かけて標準額にすることも検討してい
る愛媛大。小松正幸学長は「据え置きは難しく、ぎりぎりの選択。値上げをせ
ざるを得ない状況にした国への抗議の意味もある」と怒りをぶつけた。

 弘前大の遠藤正彦学長は「学費減免の申請は激増している。経済基盤が強く
ない地域では値上げは家庭に厳しいだろう」と地域の実情を訴えた。