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『大阪読売新聞』2005年1月27日付

愛媛大、年授業料9600円値上げ 標準額下回る 「国方針に抗議こめ」


 愛媛大(小松正幸学長)は二十六日、来年度から一般学部と大学院の年間授
業料を9600円値上げして、53万400円にすると発表した。国立大の授
業料値上げは、文部科学省が示す「標準額」に沿って行われるが、愛媛大は
「学生の負担が大きすぎる」として、標準額を5400円下回る額とした。小
松学長は「現在でも授業料は高い。国の値上げ方針に抗議の意味をこめた」と
している。

 昨春の独立行政法人化で、国立大は独自に授業料を設定できることになり、
文部科学省は目安として標準額を提示。来年度の標準額は前年より1万500
0円値上げして53万5800円としたが、同大はこの日開いた経営協議会で
値上げ幅を標準額の三分の二にとどめることを決めた。

 標準額が値上げされると、各大学の値上げの有無にかかわらず国からの運営
交付金が削減される。値上げ幅を小さく設定した同大の場合、年間約4400
万円の財源不足が生じるという。

 同大は不足額を補うため、来年度、授業料収入の落ち込みにつながる中退や
休学を防ぐ取り組みを行うと説明。昨年十一月に設けた学生支援センターを通
じ、学生の悩みなどにきめ細かく対応し、年間三百―四百人に上る中退者や休
学者を減らすとしている。

 小松学長は「値上げは教育の機会を奪うことにつながる。学生に負担をかけ
ないように、経営努力をしていきたい」としている。