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『朝日新聞』2005年1月27日付 声欄 首都大の英語 「丸投げ」疑問 米国大学院教員 須藤 宜 (群馬県高崎市 73歳) 今春開校予定の「首都大学東京」で、英語の必須授業の半分を民間の英会話 学校に委託するという。 記事(12月22日)によると、1年生の「実践英語」の半分を「ネイティブスピー カー」が担当、初年度は英会話学校の教材を土台とし、講師採用にあたっては 職業安定法の規定によって、履歴書を出させず、面接もせず、日常の打ち合わ せも大学側とは行わないという。 そもそも、日本の大学の教育をそのまま外国人に委託できるのだろうか。ま た、その指導法を無審査で大学に導入しても良いものだろうか。 教員削減方針の一環で外注案が示されたというが、大学教員の一方的削減、 穴埋めを外国人講師に依頼するという指示には違和感を覚える。大学は指導要 綱を示し、授業内容や指導方法を外国人講師にも十分に納得させた上で開講す べきだ。 英語指導で最も効率的な方法は、日本語と英語の特徴をとらえ、それに基づ くものだ。外国人講師への「丸投げ」では日本人の学習上の困難点を十分に理 解できず、指導の要領を得ないと思うのだ。 |