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新首都圏ネットワーク


『読売新聞』2005年1月27日付

岩手大が授業料を値上げへ(岩手)


 岩手大が二〇〇五年度から年間の授業料を1万5000円値上げし、53万5800円にする。政府予算案に示された国公立大学の授業料の標準額に増額が盛り込まれ、予算案がこのまま成立すると、国から下りる運営費交付金の大幅にカットされるため。「収入減になれば、大学運営に影響をきたす」と考えたという。

 国立大は昨年四月の独立行政法人化に伴い、授業料を文部科学省の定める標準額を基本に、大学が独自に決められるようになった。標準額が引き上げられても据え置いたり値下げしたりしてもいい。値上げも標準額の10%までできる。

 一方、運営費交付金は標準額に基づいて算定され、標準額が上げればその削られる。〇五年度政府予算案が承認され、岩手大が授業料を据え置いた場合、前年度に比べ約1億5000万円の減収につながるため、授業料値上げに踏み切ることにしたという。

 岩手大の猪内正雄・学術担当理事は「安定した大学経営や教育、研究の維持には授業料の値上げはやむを得ない。ただ入試を控える受験生に配慮し、早めに値上げを決めた」と話し、学内の掲示板や大学のホームページ、入学願書に説明文書を添えるなどして理解を求めている。