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新首都圏ネットワーク


『富山新聞』2005年1月25日付

新「富大」、授業料は標準額で統一 創設準備協部会決定 医薬大も今春引き上げ


 富大、富山医薬大、高岡短大は二十四日、富大で新大学創設準備協議会の管
理運営部会を開き、十月に再編統合する新「富大」の年間授業料を、現行から
一万五千円引き上げた「標準額」とすることを決めた。これに伴い富山医薬大
は同日、年間授業料を今春から「標準額」とする方針を固めた。富大は統合を
待たずに、既に今春からの引き上げを決めているが、検討中だった富山医薬大
も新大学発足をにらみ、足並みをそろえる格好となった。

 四年制国立大の授業料は現在、五十二万八百円で、昨年春の国立大法人化に
伴い、各校が決めることになった。政府は年間授業料の目安となる標準額を五
十三万五千八百円に設定し、各校の判断で標準額の10%増まで引き上げられ
るほか、減額、据え置きもそれぞれの判断で可能となる。

 管理運営部会には瀧澤弘富大学長、小野武年富山医薬大学長、西頭徳三高岡
短大学長ら各大学の学長、理事が五人ずつ出席した。今年十月に統合し、人間
発達科学部、芸術文化学部など八学部に再編して二〇〇六年度入学生を募集す
る新「富大」について三大学は、「財源確保のため授業料値上げもやむなし」
との方針で一致した。

 共同通信社の調査では、今春の値上げについて、富大が「標準額の範囲で引
き上げ」とし、機関決定していない富山医薬大は「方向性も含め未定」と回答
していた。しかし、富山医薬大は管理運営部会の方針を受け、学外者を交えた
経営協議会に図った上で、早急に教育研究協議会で引き上げを決定するとして
いる。高岡短大の年間授業料は現在、三十七万九千二百円で、政府は標準額を
三十九万円と示しており、同短大は〇五年四月に向けて、標準額に基づいて方
向性も含め、検討している。

 管理運営部会では〇六年度の増額を、標準額いっぱいの一万五千円とし、1
0%増までのさらなる上乗せはしないと決定した。しかし、教員からは「〇七
年度以降はどうするかや、学部間の格差も検討すべき」などの指摘が上がって
いる。