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新首都圏ネットワーク


共同通信配信記事詳報 2005年1月22日付

53国立大が値上げへ
今春、授業料1万5000円


 国立大の年間授業料の目安となる「標準額」が今春、現行の52万800円
から1万5000円引き上げられるのに伴い、全国83の4年制国立大のうち、
少なくとも53校が標準額にそろえて値上げすることを決めたか、検討してい
ることが22日、共同通信社の調査で分かった。

 未定が27校あるが、財源確保のため値上げに踏み切るところが少なくない
とみられる。

 一方で、佐賀大は据え置きの方向で検討し、愛媛大は2年かけて2段階で標
準額まで値上げすることも検討。これまで、全国一律だった国立大授業料に初
めて格差が生じる見通しになった。

 国立大は昨年4月の法人化に伴い、授業料は各校の判断で決めることになっ
た。標準額が引き上げられても現行のまま据え置くことや引き下げも可能。標
準額の10%増まで値上げもできる。

 昨年末の政府予算編成で標準額が1万5000円増の53万5800円と決
まり、各校の対応が注目されていた。

 調査は国公立大2次試験の出願が24日に始まるのを前に実施した。

 佐賀大と愛媛大以外の対応は「標準額通り値上げする」と決めたのが24校、
「標準額通り値上げする方向で検討中」と回答したのが29校に上った。群馬
大は「現状維持か値上げのどちらかで検討中」とし、「方向性も含め未定」は
27校だった。値下げは現時点ではない。

 各校でつくる国立大学協会は昨年末「物価が下がる中、上げる必然性はない」
などと標準額値上げ反対の姿勢を示した。結果的に多くの大学が値上げするの
は、国から各校への運営費交付金が削減傾向の中で財源確保を迫られたことな
どが背景にあるとみられる。

 対応が割れたことに文部科学省は「各校判断で対応する法人化の趣旨に沿う」
と理解を示した上で、未定校については「受験生への周知のためにも早めに決
めてほしい」としている。