トップへ戻る   以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク



he-forumに参加されている皆様へ

東京大学職員組合は、国立大学授業料値上げ問題に
関連して声明を発表しましたので
以下に全文をお送りします。

この声明は、東大職組のホームページにも掲載予定です。
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/

---------------------------------


国立大学授業料標準額引き上げに反対する

                 2005年1月21日
東京大学職員組合
執行委員長  佐藤 比呂志

政府は、来年度国立大学授業料標準額据え置きとした文部科学省の
概算要求を退け、同標準額の15,000円値上げを含む来年度予算案を
昨年12月24日閣議 決定しました。周知のように、この閣議決定に
先立って、国立大学協会 (12月8日)、中国四国の10国立大学学長
(12月16日)、弘前・岩手・秋田の 3国立大学学長(12月18日)、
さらに本学総長をはじめ東京都内の11国立大学 長 (12月21日)など、
多数の反対声明・見解が政府・文部科学省に対して提出されています。
また、1月19日、本学の岡村理学部長・理学系研究科長が、「国立
大学授業料値上げは再考すべきだ」と朝日新聞『私の視点』において
述べられているように、授業料値上げに反対する意見は拡がっています。
すでに、指摘されていますように、現在の物価状況の中で、世界的にも
異例な水準に達している授業料をさらに値上げし、教育の機会均等を
奪うことは、大学における教育研究に携わっている者として、到底許容
できるものではありません。さらに、今回の授業料引き上げについては、
この間隔年で行われてきた値上げの延長に留まらない大学財政上の
深刻な問題を指摘しておく必要があります。まず、第1に、運営費交付金を
大幅に削減する方式として、「ルールによる」と言いながら実は強制的な
効率化係数と経営改善係数が既にありますが、これによって生じる財政
不足分を授業料の値上げや病院収入の増加で補填しようとしている点です。
しかも、その補填を大学人が最も嫌悪する授業料の値上げを自らの手で
行わせようという仕掛けが仕込まれています。第2に、文部科学省は
国家によって当然保証されるべきものとして退職手当等当然増の概算要求を
提出しましたが、政府案ではこれが大幅に削減されている点です。労働組合
として見逃すことのできないのは、授業料値上げによって、国家として当然
責任を負うべき経費を学生とその保護者に賄わせようとしていることです。
こうした観点から、今回の授業料の値上げは単に15,000円の値上げの問題のみ
として理解する訳にはいきません。もし、こうした予算の組み方の成立を許せば、
長年にわたる大学の苦悩の始まりになります。
本学の教養学部では、昨年10月29日、「(国が定める標準額が上がった場合でも、
東大での授業料は)来年に関しては上がることは一切ない。」「国から
ガイドラインが出されても、方針は変わりません。」と学生に確約しているにも
かかわらず、
一転し東大では1月25日に予定されている経営協議会において、「財務上の困難
から値上げやむなし」との結論を出そうとしています。
 来年度政府予算案は閣議決定されたに過ぎず、21日から始まる通常国会に
上程され、審議が開始されます。今、東京大学をはじめ全国の国立大学が
なすべきことは、昨年12月8日の国大協臨時総会の確認に基づいて授業料値上げ
に反対する態度を堅持し、国会における慎重かつ厳密な審議を求めることです。
国会での審議も議決も経ていない、標準額に関する文部科学省令改正も行われて
いない段階で値上げを決定し、学生との協議、約束を反故にすることは、民主主義を
自ら放棄することに繋がります。
教育や研究の価値は、決して現在の費用で推し量ってはなりません。教育の
機会均等の確保は、言い尽くせないほど重要なことです。東京大学職員組合
としても、関連団体との連携を図りながら、授業料値上げ阻止に向けて積極的な
運動を展開していく決意です。


==========================================
東京大学職員組合
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
Fax:03-3813-1565 Tel:03-5841-7971
E-Mail<tousyoku@u.email.ne.jp>
HP URL<http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/>
==========================================