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『科学新聞』2005年1月14日付 政府予算案 新たな競争的研究資金 文科、農水など増加 平成17年度政府予算案がまとまった。科学技術振興費は対前年度比2.6%増の 1兆3,170億円、振興費以外の経費も含めた科学技術関係予算の総額は3兆 5,785億円と基本計画が始まって初めての減額(対前年度比0.8%減)となった。 しかし、競争的研究資金は4,672億円と対前年度比26.6%の伸びをみせており、 第二期基本計画の目標である約6,000億円は達成できなかったものの、大幅な拡 充を実現することとなった。様々な競争的研究資金が生まれることで、若手の 研究や融合領域の研究、従来の研究費では対応できなかったものの、研究支援 の多様性が広がることが期待される。 今回の予算の特徴は新たな競争的研究資金が増えたことだ。内閣府の食品影 響評価研究委託費は1億2,000万円。文部科学省の社会のニーズを踏まえたライ フサイエンス分野の研究開発は、分子イメージング研究と新興・再興感染症研 究拠点形成が認められて34億5,000万円、安全なユビキタス社会を支える基盤技 術の研究開発プロジェクト3億6,000万円、将来のスーパーコンピューティング のための要素技術の研究開発プロジェクト14億5,400万円、革新的シミュレーショ ンソフトウェアの研究開発プロジェクト11億6,000万円、地球観測システム10億 1,700万円、ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発14億 5,000万円など。農林水産省の地域食料産業等再生のための研究開発等支援事業 8億7,300万円。 既存予算を競争的研究資金に組み替えたものもある。内閣府の沖縄産学官共 同研究の推進1億2,000万円、文部科学省の21世紀COEプログラム381億 7,100万円、原子力システム研究開発委託費121億4,500万円、経済産業省の革新 的実用原子力技術開発費補助金21億8,300万円、地域新生コンソーシアム研究開 発事業137億2,000万円など。 従来の競争的研究資金では、科学研究費補助金1,880億円(50億円増)、戦略 的創造研究推進事業475億9,500万円(12億6,600万円増)、科学技術振興調整費 395億円(9億円増)、先端計測分析技術・機器開発40億円(7,000万円増)、 独創的革新技術開発研究提案公募制度/革新技術開発研究事業32億800万円(1 億800万円減)、厚生労働科学研究費422億3,700万円のうち381億8,700万円(2 億5,700万円増)、産業技術研究助成事業62億円(4億円増)、地球温暖化対策 技術開発事業26億7,600万円(10 億4,200万円増)など。 |