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新首都圏ネットワーク


『紀伊民報』2005年1月18日付

国立大授業料 和歌山大も値上げへ
学長見通し「やむを得ず」


 和歌山大学の小田章学長は17日開かれた定例記者会見で、新年度から国立大
の年間授業料の目安額を引き上げる国の方針を受け、「国の方針には反対だが、
財政難から和歌山大学の値上げもやむを得ない」との見通しを示した。

 財務、文部科学の両省は今国会で、国立大授業料の目安となる「標準額」を
現行の52万800円から1万5000円引き上げる方向で調整している。

 昨年の法人化で、各大学は自由に授業料を決められるようになったが、値上
げしない場合は、大学の自主財源が減る仕組み。和歌山大学の2005年度予
算は、値上げしなかった場合の6500万円を含め、約1億6000万円の減
収が予想されている。

 小田学長は「値上げしないと大学の自立運営に当たって危機的な状況になる。
学生離れに敏感な小さな大学だが、値上げした分、教育力を高めるということ
で理解を得たい」と理由を説明した。「小泉政権は国を担う人づくりを軽視し
ている」と政府への苦言を繰り返す場面もあった。

 大学の役員会なども値上げを容認する方向という。文科省の説明を受けた後、
早ければ今月末の役員会で決定する。

 国の授業料値上げ方針をめぐって、大半の大学は引き上げ方針だが、京大な
ど一部大学は学生離れへの懸念から慎重で、初めて国立大の授業料に差が出る
見通し。