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新首都圏ネットワーク


『2005年度大学関係政府予算案・授業料問題情報』(略称『予算・授業料情報』)

No.5=2005年1月12日発行

国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

学生との約束を反古にするのか―各国立大学で学費据え置きを明言

 本事務局が得た情報によれば、各国立大学では、昨秋、学生団体との交渉の
中で学費の据え置きを明言している(資料1)。学長自身が学費値上げは行わない
と明言した大学、学生募集要項の中で学費据え置きを前提とした記載をしてい
る大学もある。また東京大学教養学部では、交渉において「来年に関しては上
がることは一切ない」「国からガイドラインが出されても、方針は変わりませ
ん」と当局代表が発言している(資料2)。これに反して、国大協が授業料値上げ
を容認するならば、学生との信義則に反することになる。当然のことながら、
この事実は、各国立大学が学生に対する説明責任を負わされているということ
を意味する。

資料1
http://web01.cpi-media.co.jp/zengakuren/news/news_29.html

国立大授業料標準額値上げ反対をもとめる緊急アピール

2004年12月15日 全日本学生自治会総連合中央執行委員会

 “文部科学、財務両省は、国立大授業料標準額を来年4月から、現行の52万
800円を53万5800円とする方向で調整に入った”と、朝日新聞12月15日付朝刊の
報道は伝えました。政府が定める国立大授業料標準額の引き上げは、各国立大
法人が設定する授業料はもちろん、公立・私立大の学費にたいする値上げ圧力
をも強めるものとなります。報道が事実であれば、文科省・財務省の態度は、
「高い学費を何とかして」「お金の心配をせずに学びたい」という、多くの学
生や父母・高校生の願いをふみにじるもので、重大です。

 「学費値上げストップ・大学予算増額」をもとめる学生の声ととりくみは広
がっています。全学連が7月に開いた学費集会には全国から250人が参加、学費
署名も現在2万4千筆以上集まっています。一橋大学、東京大学、名古屋大学、
信州大学をはじめ、各地の学生自治会と大学側との交渉・話し合いの場で、大
学側が“2005年度の学費値上げはおこなわない”と言明するなど重要な確認も
得ています。12月8日には、国立大学協会が、中期目標期間(6年間)に授業料
標準額を値上げすることは「容認できない」とする要望書を文科省に提出しま
した。

 憲法や教育基本法は、「国民の教育を受ける権利」「教育の機会均等」を明
記しており、その保障へ責任ある手立てをとることは政府のつとめです。日本
政府が、“高等教育における「無償教育の漸進的導入」”を定めた国際人権規
約第13条2項cを保留し、高等教育無償化にむけた世界の流れに背をむけている
ことについては、その態度を見直すよう国連が2006年6月までに日本政府に回答
をもとめています。

 学生がお金の心配をせず安心して大学で学び、21世紀の担い手として成長で
きるよう、「学費値上げストップ・大学予算増額」へ手立てをつくすこと、と
くに2005年度国立大授業料標準額については値上げしないことを、文科省、財
務省に強くもとめます。

以上

資料2
『しんぶん赤旗』(2005年1月12日)

学費値上げしないで 東大学生らが要請行動

 東京大学の学生自治会を中心に学生・院生は十一日午後、東京・文京区の東
京大学本郷キャンパス本部庁舎前で、当日開かれた東大部局長会議(学部長ら
が参加)を前に、「私たちは東大当局が学生との約束を守り、来年度の学費を
値上げしないことを求めます」と訴えるビラを教職員にたいし配布しました。

 昨年十月二十九日におこなわれた、東大教養学部学生自治会と大学側の交渉
で、大学側は、「(国が定める標準額が上がっても、東大での授業料は)来年
に関しては上がることは一切ない」「国からガイドラインが出されても、方針
は変わりません」と明言しました。

 ところが政府は、来年度予算案で、国立大学授業料の標準額を一万五千円引
き上げる計画を発表し、多くの大学で在学生も含めた学費値上げが懸念されて
います。「授業料値上げを何としても食い止めたい」「大学は学生との約束を
誠実にまもってほしい」――学生・院生の熱い訴えに、多くの教職員がビラを
受けとり見入っていました。