トップへ戻る   以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク


『2005年度大学関係政府予算案・授業料問題情報』(略称『予算・授業料情報』)

No.3=2005年1月11日発行

東大入学の動機、「私大に比べて授業料が安いから」がトップ: 2003年『東大
学生生活実態調査』より

国立大学法人法反対首都圏ネットワーク


 東京大学『学内広報』NO.1302 (2004.12.02)は第53回学生生活実態調査の結
果を公表した(http://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/kouhou/1302/index.html)。興
味深い内容が掲載されているが、授業料問題にかかわる点を一部紹介する。詳
細は、上記URLによってご覧頂きたい。

【入学の動機は「私大に比べて授業料が安いから」49.6%、「社会的評価が高
いから」48.7% 】「第1部 1−1.入学について 」より

 「東大入学の動機」については、前回調査では主たる動機を重視度順に三つ
まで回答させたが、今回は、主たる動機を無順位に三つまで選択させた。その
影響かどうかは不明であるが、93年調査以降初めて、「私大に比べて授業料が
安いから」が49.6%で最多となった。これに「社会的評価が高いから」48.7%
が僅差で続いている。これからかなり下がって、「入学後に学部の選択が可能
だから」39.0%、「スタッフ・設備が優れているから」36.0%、「将来の就職
を考えて」29.9%となっている。ただし、「将来の就職を考えて」は、常識的
に解釈すれば、「将来の就職を考えて社会的評価の高い大学を選んだ」のであ
ろうから、「社会的評価が高いから」はもっと高い割合となろう。

 「私大に比べて授業料が安いから」と「社会的評価が高いから」は全体では
拮抗している。しかし、男子文科系では、「社会的評価が高いから」が59.9%
で「私大に比べて授業料が安いから」44.7%を15.2ポイントも上回っている。
男子理科系では逆に「私大に比べて授業料が安いから」が53.8%で「社会的評
価が高いから」44.5%を9.3ポイント上回っている。また女子でも、「私大に比
べて授業料が安いから」が48.7%で「社会的評価が高いから」40.7%を8ポイン
ト上回っている。女子理科系ではさらに甚だしく、「私大に比べて授業料が安
いから」が54.9%で「社会的評価が高いから」30.3%を14.6ポイントも上回っ
ている。しかし、女子文科系では逆に、「社会的評価が高いから」が47.5%で
「私大に比べて授業料が安いから」44.7%を少し上回っている。

【年収額は950万円未満が50.8%。半数を超える】「第2部 学生生活の背景
1.家庭の状況」より

 家計支持者の年収の分布状況は、「750万円未満」が34.3%、「750万円以上
1,050万円未満」が38.4%、「1,050万円以上」が27.3%となっている。前回調
査との比較では、「750万円未満」は28.3%から6.0ポイント、「750万円以上
1,050万円未満」は37.8%から0.6ポイント増加し、「1,050万円以上」が34.0%
から6.7ポイント減少している(図14、資料1−8−5表)。

 家計支持者の年収額のうち「950万円未満」は50.8%であり、1990年の調査以
来13年ぶりに半数を超えた。男女別に見ると、男子における「950万円未満」の
比率が55.5%であるのに対して、女子における比率は35.9%であり、男女差が
顕著である(図15)。