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新首都圏ネットワーク

『2005年度大学関係政府予算案・授業料問題情報』(略称『予算・授業料情報』)

No.2=2005年1月7日発行

           施設整備費補助金を分析する



              国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

1.施設設備費関連データ

【平成16年度予算額】(単位)億円
○文教施設費1,074
内閣府計上=14、借入金=451、施設整備費補助金補助金=533
○病院特別医療機械等353
施設整備費補助金等=162、借入金=167、施設費交付事業=24

【平成17年度予算額】(単位)億円
○文教施設費901
施設費交付事業=56、借入金=436、施設整備費補助金=409
○病院特別医療機械等390
施設整備費補助金(不動産購入費)=115、施設整備費補助金等(大型設備等)=93、
借入金=182

#:施設整備費補助金は124億円減(23%減)となっている。

2.施設整備の中期的見通し(平成18年〜22年):文科省資料による

【施設整備費補助金分】1,718億円
PFI事業費(23事業)=302、キャンパス移転(九大、金沢、立川、東大、京都)
=1,000、大規模プロジェクト(高エネ、大強度陽子加速器)=146、営繕(54億
円×5年)=270

#:毎年度の義務的経費は、1,718億円÷5年で344億円となる。

3.平成17年度施設整備費補助金409億円の意味するもの

 『国立大学等施設緊急整備5か年計画(平成13〜17年度)』
(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/13/04/010418.htm)は平成12年度時点
での整備需要(昭和50年以前の老朽施設改善需要約600万平米、不足面積約500
万平米)に対して、老朽改善=約200万平米、施設新増築=約200万平米として
開始された。そして文科省は、老朽改善特別整備2,100億円を含んで施設整備費
補助金2,757億円を来年度概算要求として財務省に提出したのであった。しかし、
1で示したように政府案ではわずか409億円となったのである。

 今期に続いて次期(平成18〜22年度)においては、新たに改善が必要となる
昭和51〜55年度建設施設分と今期の積み残しを合わせて、老朽改善需要=約
700万平米、不足面積=約300万平米となるという。その総額の試算結果は公表
されていないが、今期の予算から考えて、2兆円を優に越えることは間違いない。
ところが、1で示したように今年度の施設整備費補助金は409億円、平成16年度
からの減少率が維持されると平成18年度には315億円となる。2で述べた通り義
務的経費だけでも年間344億円必要なのであるから、平成18年度以降は、不足面
積の解消は言うに及ばず、老朽施設改善など不可能となり、義務的経費の支給
すら危ういということになろう。