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新首都圏ネットワーク


『四国新聞』2004年12月28日付

国公立大と私立大の格差、大幅縮小


 四年制大学に今春進学した香川県人学生の受験から入学までの費用は、国公
立大が平均百六十九万千円、私立大が同百八十万円となり、公私格差は十万九
千円で前年の四十二万円に比べて大幅に縮小したことが国民生活金融公庫高松
支店の「大学進学費用に関するアンケート」(香川版)で分かった。同支店は
「国公立大に進んだ学生の親が、大学に払う費用が私立大に比べて安くなった
分、住居などの生活面を充実させている傾向がうかがえる」と分析している。

 調査は昨年十月から今年四月にかけて、同公庫の教育ローンを利用した県内
の二百七十一人を対象に実施。九十五人(35・1%)が回答した。

 まとめによると、国公立、私立を合わせた全体の平均は前年比三万千円増の
百七十六万四千円だった。私立大の進学費用は同四万七千円減となったが、国
公立大は同二十六万四千円増。授業料などが安い国公立大へ進学した場合でも、
新生活にかかる費用などを合わせれば、親の負担に大差がなくなっている現実
が浮き彫りとなっている。

 このほか自宅外通学者の進学費用は平均百九十九万三千円で、自宅通学者
(百二十万六千円)よりも七十八万七千円高かった。地域別(海外留学など除
く)では、首都圏が二百十七万七千円と最も高く、以下は京阪神が百八十八万
六千円、四国地域が百七十九万円、中国地域が百七十一万円の順。四国地域は
前年比六十六万九千円増と大幅に伸びており、中国地域を上回った。

 一方、毎月の仕送り額は平均九万三千円で、前年に比べて三千円減少した。
進学に伴う総費用の増加を受けて、日々の生活費となる仕送り額が減少してい
るとみられ、同支店は「大学進学による家計への負担は依然大きい」と分析し
ている。